薬剤師国家試験 第108回 問124 過去問解説

 問 題     

生活習慣病に関する記述のうち、正しいのはどれか。2 つ選べ。

  1. 腹囲が基準値以上であり、血圧、血糖、血清脂質の 3 つの診断基準項目のうち、2 項目以上が該当すると、メタボリックシンドロームと診断される。
  2. 現在、我が国では、2 型糖尿病患者より 1 型糖尿病患者が多い。
  3. 糖尿病は、虚血性心疾患や脳梗塞のリスクファクターである。
  4. 受動喫煙は、慢性閉塞性肺疾患 (COPD) のリスクファクターとはならない。
  5. HDL – C (高密度リポタンパク質コレステロール) は、脂質異常症の診断基準項目に含まれない。

 

 

 

 

 

正解.1, 3

 解 説     

選択肢 1 は妥当です。
メタボリックシンドロームについての記述です。

選択肢 2 ですが
糖尿病は、1 型糖尿病と 2 型糖尿病に分類されます。1 型糖尿病とは、インスリンが絶対的に欠乏している糖尿病です。自己免疫性であったり、特発性であったりといった原因により、インスリンを産生する膵臓 β 細胞が破壊されることが原因です。2 型糖尿病はインスリン分泌が低下したり、インスリンに対する標的臓器の感受性が低下(インスリン抵抗性)することによる糖尿病です。患者数は、2型糖尿病の方が糖尿病患者の 9 割以上を占めています。選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3 は妥当です。
糖尿病についての記述です。

選択肢 4 ですが
ならないわけではありません。選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 ですが
高脂血症(脂質異常症)であるとは、以下の3つのどれかを満たす状態のことです。血中 LDL コレステロール値 ≧ 140mg/dL、血中 HDL コレステロール値 ≦ 40mg/dL、血中トリグリセリド(TG:中性脂肪)値 ≧ 150mg/dL。従って、HDL-C も、診断基準項目に含まれます。選択肢 5 は誤りです。

以上より、正解は 1,3 です。

参考 衛生薬学まとめ 生活習慣病の種類、動向

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