薬剤師国家試験 第108回 問29 過去問解説

 問 題     

シクロオキシゲナーゼを不可逆的に阻害する抗炎症薬はどれか。1つ選べ。

 

 

 

 

 

正解.2

 解 説     

各選択肢の構造はそれぞれ
1: アセトアミノフェン
2: アスピリン
3: イブプロフェン
4: メサラジン
5: サリチル酸ナトリウム です。どれも判断したい構造です。

選択肢 1 ですが
アセトアミノフェンの構造式です。NSAIDsとは異なり抗炎症作用をほとんど持っていない解熱鎮痛剤です。(101-6  既出)。

選択肢 2 は妥当です。
アスピリンの構造式です。アスピリンは シクロオキシゲナーゼ(COX)のセリン残基をアセチル化し、不可逆的に阻害します。(103-160)。

選択肢 3 ですが
イブプロフェンの構造式です。NSAIDs の一種で、シクロオキシゲナーゼ (COX) 阻害薬の1つですが、「不可逆的に阻害」ではありません。選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 ですが
メサラジンの構造式です。メサラジンは、5-アミノサリチル酸です。潰瘍性大腸炎、クローン病治療に用いられます。(103-327)。COX 阻害薬ではありません。選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 ですが
サリチル酸ナトリウムの構造式です。神経痛に用いられるサリチル酸系 NSAIDs です。(103-85)。NSAIDs の一種で、シクロオキシゲナーゼ (COX) 阻害薬の1つですが、「不可逆的に阻害」ではありません。選択肢 5 は誤りです。

以上より、正解は 2 です。

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