薬剤師国家試験 第107回 問327 過去問解説

 問 題     

67歳男性。身長160cm、体重50kg。パフォーマンスステータス(PS)0、非ホジキンリンパ腫に対する全身化学療法として、リツキシマブとベンダムスチンの併用療法を検討している。

本治療開始前に、薬剤師が確認又は提案する事項として、適切なのはどれか。2つ選べ。

(検査値)

総ビリルビン 1.0mg/dL、AST 21IU/L、ALT 17IU/L、BUN 22.9mg/dL、血清クレアチニン値 1.2mg/dL、赤血球数 216×104/μL、白血球数 3,750/μL、好中球数 1,880/μL、Hb 11.3g/dL、血小板数 21.4×104/μL

  1. 前投与薬として抗ヒスタミン剤、解熱鎮痛剤が処方されていることを確認する。
  2. リツキシマブの減量を提案する。
  3. ベンダムスチン塩酸塩の減量を提案する。
  4. EGFR遺伝子変異が陽性であることを確認する。
  5. 腫瘍崩壊症候群のリスク評価の実施を提案する。

 

 

 

 

 

正解.1, 5

 解 説     

選択肢 1 は妥当です。
参考 101-218 選択肢 4 

選択肢 2,3 ですが
特に減量の理由はないと考えられます。選択肢 2,3 は誤りです。

選択肢 4 ですが
リツキシマブは、CD20 を標的とした分子標的薬です。可変部が、マウス由来のキメラ抗体です。モノクローナル抗体です。CD 20 陽性の非ホジキンリンパ腫 などに用いられます。ベンダムスチン(トレアキシン)は、化学療法に用いられる抗がん薬の一種です。共に EGFR 阻害薬ではないため、遺伝子変異陽性の確認は不要です。選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 は妥当です。
腫瘍崩壊症候群とは、がん細胞が短時間に大量に死滅し内容物であった尿酸などが大量に排出されることに伴う症状の総称です。血液がんに対する初回化学療法などで特に注意が必要です。(101-290)。

以上より、正解は 1,5 です。

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