問 題
20歳男性。一人暮らし。1ヶ月前に風邪をひいてから、体調が不良となった。現在、治療中の疾患はない。健康サポート薬局の表示を見て来局した。
対応した薬剤師は、この男性の自覚症状(口喝、多尿、急激な体重減少、疲労感)などの訴えを聞いて糖尿病の疑いがあると判断して、医療機関への受診勧奨を行った。
問310
「健康サポート薬局」を表示するための基準として、適切なのはどれか。2つ選べ。
- 患者の代わりに、医療機関の受診の予約を行う体制を有している。
- いつでも相談に対応できるように24時間開局している。
- 個人情報に配慮した相談窓口を有している。
- 要指導医薬品や介護用品について、助言できる体制を有している。
- 薬局内に無菌調剤室を設置している。
問311
この男性は医療機関で1型糖尿病と診断され、血糖コントロールのため入院し、以下の処方で治療を開始することになった。
病棟担当薬剤師がこの男性に指導する内容として、適切なのはどれか。2つ選べ。
- 本製剤は、開封後に常に冷蔵庫で保存する。
- 使用する前に、本製剤を振らないようにする。
- 腹部の部位を決め、なるべく前回注射した場所に注射する。
- 低血糖症状が起きたら、糖分を摂るようにする。
- 注射後には、必ず食事を摂るようにする。
正解.
問310:3, 4
問311:4, 5
解 説
問310
健康サポート薬局とは、厚生労働大臣が定める一定基準を満たしている薬局として、かかりつけ薬剤師・薬局の機能に加えて、市販薬や健康食品に関することはもちろん、介護や食事・栄養摂取に関することまで気軽に相談できる薬局のことです。(106-80)。
選択肢 1 ですが
「患者の代わりに、医療機関の受診の予約を行う体制」は、基準ではありません。選択肢 1 は誤りです。
選択肢 2 ですが
「24時間開局」は基準ではありません。選択肢 2 は誤りです。※ただし、24 時間「対応」は必要です。
選択肢 3,4 は妥当です。
選択肢 5 ですが
「無菌調剤室設置」は基準ではありません。選択肢 5 は誤りです。
以上より、問 310 の正解は 3,4 です。
問311
選択肢 1 ですが
使用中は冷蔵庫に入れず、キャップ等により遮光して室温に保管します。「開封後に常に冷蔵庫で保存」ではありません。選択肢 1 は誤りです。
選択肢 2 ですが
懸濁製剤なので、使用前に振ります。選択肢 2 は誤りです。
選択肢 3 ですが
同じ場所に続けて注射すると皮膚が硬くなり、インスリンの効き目が弱くなることがあります。これを避けるために場所を前回の注射部位から数 cm 程度ずつずらして注射を行うことが推奨されます。「なるべく前回注射した場所に注射」ではありません。選択肢 3 は誤りです。
選択肢 4,5 は妥当です。
以上より、問311 の正解は 4,5 です。
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