問 題
44 歳女性。鼻、口唇の肥大、下顎の突出を認め精査となった。身長 170 cm、体重 81 kg、靴のサイズ26.5 cm。75 gブドウ糖負荷試験での成長ホルモンは 25 ng/mL (正常域0.4ng/mL未満)、IGF-1 (血中インスリン様成長因子-1) は 1,050 ng/mL (正常域 88 ~ 229 ng/mL) であった。
MRI 検査で限局性腫瘤が認められたが、異所性病変は認めなかった。
問222
図は、女性の内分泌器官を表した模式図である。この患者の腫瘤の位置はどれか。1つ選べ。
問223
この患者は、その後、精密検査の結果、悪性腫瘍と診断された。腫瘍が大きく手術が困難であるため、薬物治療を行う方針となった。なお、放射線治療は薬物治療の効果をみてから検討する予定である。
この患者の治療に用いる薬物の候補として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。
- グルカゴン
- インスリン
- オクトレオチド
- ソマトロピン
- バソプレシン
正解.
問222:1
問223:3
解 説
問222
選択肢 1 は脳下垂体、2は甲状腺、3は副腎、4は膵臓、5は卵巣です。模式図から、全て判断できる必要があります。
成長ホルモン、成長因子が過剰であることから、成長ホルモンを分泌する器官である脳下垂体の腫瘍と考えられます。
以上より、問 222 の正解は 1 です。
問223
先端肥大症や、下垂体性巨人症といった成長ホルモン過剰に伴う疾患に対する薬として、オクトレオチドが用いられます。持続性ソマトスタチン誘導体です。
以上より、問 223 の正解は 3 です。
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