薬剤師国家試験 第107回 問31 過去問解説

 問 題     

T 細胞のカルシニューリンを阻害する免疫抑制薬はどれか。1つ選べ。

  1. シクロホスファミド
  2. アザチオプリン
  3. レフルノミド
  4. バシリキシマブ
  5. シクロスポリン

 

 

 

 

 

正解.5

 解 説     

選択肢 1 ですが
シクロホスファミドは、アルキル化剤の一種です。T 細胞のカルシニューリンを阻害する免疫抑制薬ではありません。選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 ですが
アザチオプリンは、6-MP(メルカプトプリン)のプロドラッグです。(101-106)。メルカプトプリンは、生体内でチオイノシン酸に変換され、アデニル酸及びグアニル酸の生合成を阻害します。(99-165)。抗がん剤、免疫抑制剤として用いられます。T 細胞のカルシニューリンを阻害する免疫抑制薬ではありません。選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3 ですが
レフルノミド は、ピリミジン合成系を阻害し、リンパ球の増殖を抑制することで作用するリウマチ治療薬です。(105-256257) 。T 細胞のカルシニューリンを阻害する免疫抑制薬ではありません。選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 ですが
バシリキシマブ(シムレクト)は、ヒトインターロイキン「2」受容体に対するヒト/マウス キメラ型モノクローナル抗体です。(105-34)。T 細胞のカルシニューリンを阻害する免疫抑制薬ではありません。選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 は妥当です。
シクロスポリンは、免疫抑制剤です。カルシニューリンインヒビターです。シクロスポリンが結合するのは細胞内タンパク質であるシクロフィリンです。シクロスポリン-シクロフィリン複合体はカルシニューリンに結合し、活性化を抑制します。カルシニューリンとは、T 細胞活性化に関するシグナル伝達を担うタンパク質の一種です。(103-40)。

以上より、正解は 5 です。

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