薬学 CBT 対策(薬学共用試験センター 一部公開分)No.145 問題と解説

 問 題     

乳剤を放置したときに起こりうる状態変化のうち、不可逆的なのはどれか。

1. クリーミング
2. ケーキング
3. コアセルベーション
4. 塩析
5. 合一

 

 

 

 

 

正解.5

 解 説     

まず「乳剤」である点に注意します。似ているのが懸濁剤です。溶けているものが、水に溶けるかどうか、という点が違いになります。

乳剤のクリーミングは
内相が浮上又は沈降する現象であり、可逆的です。(106-180)。不可逆的ではありません。選択肢 1 は誤りです。

ケーキングとは
自由沈降により再分散が困難になる現象です。不可逆である点は妥当なのですが、これは懸濁剤に関する現象です。従って「乳剤」を放置しても起きません。選択肢 2 は誤りです。

コロイド溶液において、コロイドに富んだ微小液滴相と、コロイド濃度の低い周囲の平衡液相に分離する現象が条件により見られます。この現象をコアセルベーションと呼びます。条件によって可逆な現象です。不可逆ではありません。選択肢 3 は誤りです。

塩析とは、親水コロイドに多量の電解質を加えて沈殿させることです。「放置」では起こりえません。選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 は妥当です。
合一は、分散相の凝集が更に進んだ状態のことです。

類題 102-50

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