問 題
65歳女性。B細胞性非ホジキンリンパ腫と診断され、本日より外来にてR-CHOP療法施行のため来院した。診察後、以下の薬剤が処方された。
【R-CHOP療法:CHOP療法(シクロホスファミド水和物、ドキソルビシン塩酸塩、ビンクリスチン硫酸塩、プレドニゾロン)にリツキシマブを加えたがん化学療法の1つ】
問218
この薬物療法を初めて受ける患者への指導内容として適切でないのはどれか。1つ選べ。
- 人ごみへの外出は避け、外出から戻ったときは、うがいや手洗いをしてください。
- 体がだるく感じたときには、プレドニゾロン錠の服用を中止できます。
- 吐き気があるときは、食べられるものを少量ずつ食べるようにしてください。
- インフュージョンリアクションを回避するため、解熱剤と抗アレルギー薬が処方されています。
- 本治療により脱毛が起こることがあります。
問219
下図は免疫グロブリンG(IgG)の模式図である。R-CHOP療法に用いられるリツキシマブに該当するのはどれか。1つ選べ。
正解.
問218:2
問219:1
解 説
問218
選択肢 1 は、正しい選択肢です。
抗がん剤の使用により、骨髄抑制から感染症リスクが高くなるため。外出を避けうがい手洗いを励行します。
選択肢 2 ですが
体がだるく感じるのは副作用としてありえますが、その際自身の判断による中止をしてはいけません。プレドニゾロンの服用後だるく感じることがあるということを知らせておくと共に、自己判断での中止を決して行わないように伝えます。選択肢 2 は誤りです。
選択肢 3 ~ 5 は、正しい選択肢です。
以上より、正解は 2 です。
問219
リツキシマブは「可変部が、マウス由来」の「キメラ抗体」です。
以上より、正解は 1 です。
類題 99-225
ちなみに、抗体医薬品はマウス由来の部分とヒト由来の部分の割合に応じて、大きく4つに分類されます。
選択肢 3 が
「マウス抗体」 の模式図です。代表的医薬品は、イブリツモマブ チウキセタン(ゼヴァリン)です。
選択肢 1 が
「キメラ抗体」 の模式図です。代表的医薬品は、リツキシマブ(リツキサン) です。
選択肢 4 が
「ヒト化抗体」 の模式図です。CDR 領域のみマウス由来です。代表的医薬品は、トラスツズマブ(ハーセプチン) です。
選択肢 5 が
「ヒト抗体」 の模式図です。代表的医薬品は、アダリムマブ(ヒュミラ) です。
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