薬剤師国家試験 第101回 問161 過去問解説

 問 題     

ホルモン関連薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. ゴセレリンは、持続的投与によりゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)受容体の脱感作を引き起こし、卵胞刺激ホルモン(FSH)や黄体形成ホルモン(LH)の分泌を抑制する。
  2. ダナゾールは、黄体ホルモン受容体とアンドロゲン受容体を遮断し、排卵を抑制する。
  3. クロルマジノンは、5α-還元酵素を阻害し、テストステロンからジヒドロテストステロンへの変換を阻害する。
  4. シナカルセトは、カルシトニン受容体を刺激し、副甲状腺(上皮小体)ホルモンの分泌を促進する。
  5. モザバプタンは、バソプレシンV2受容体を遮断し、集合管における水の再吸収を抑制する。

 

 

 

 

 

正解.1, 5

 解 説     

選択肢 1 は、正しい選択肢です。
ゴセレリンは、LH-RH アナログです。性ホルモン放出ホルモンみたいなものだけど、結果的には受容体の脱感作を引き起こして、性ホルモンの分泌抑制方向に働きます。

選択肢 2 ですが
ダナゾールは、男性ホルモンアナログです。子宮内膜症、乳腺症の治療薬です。下垂体に直接作用しエストロゲン分泌を抑制することで作用します。ダナゾールが、黄体ホルモン受容体やアンドロゲン受容体を遮断するわけではありません。よって、選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3 ですが
抗男性ホルモン薬です。男性ホルモン受容体を遮断します。前立腺がん、前立腺肥大症に用いられます。「5α-還元酵素を阻害」という記述は、デュタステリド(アボルブ)などの作用機序です。よって、選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 ですが
シナカルセト(レグパラ)は、カルシウム受容体作動薬です。副甲状腺の、機能亢進症に用いられます。副甲状腺ホルモンの過剰分泌を「抑制」します。分泌を「促進」するわけでは、ありません。よって、選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 は、正しい選択肢です。

以上より、正解は 1,5 です。

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