問 題
図はヒトにおける3種類の筋組織の模式図である。これらの筋組織に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- Aは横紋筋であり、B及びCは平滑筋である。
- B及びCはいずれも不随意筋であり、自律神経支配を受ける。
- Aの収縮は、筋小胞体から放出された遊離Ca2+とカルモジュリンとの結合により起こる。
- Bでは、細胞外から流入したCa2+が収縮に関与する。
- リン酸化されたミオシン軽鎖キナーゼは、ミオシンとアクチンの架橋形成を促進し、Cの収縮を引き起こす。
正解.2, 4
解 説
ヒトにおける 3 種類の筋組織といえば、骨格筋、心筋、平滑筋です。
選択肢 1 ですが
3 種類の筋組織の中で「平滑筋」は、1 種類です。よって、選択肢 1 は誤りです。ちなみに、残り 2 種類(骨格筋、心筋)は横紋筋に分類されます。
選択肢 2 は妥当な記述です。B が心筋、C が平滑筋です。
選択肢 3 ですが
A は骨格筋です。「カルモジュリン」が関与するのは「平滑筋」です。よって、選択肢 3 は誤りです。骨格筋では「トロポニンC」が関与します。
選択肢 4 は妥当な記述です。
選択肢 5 ですが
ミオシン軽鎖キナーゼの活性化は「カルモジュリン」によってです。そして、ミオシン軽鎖キナーゼの活性化によりミオシンがリン酸化されて、平滑筋収縮につながっていきます。「リン酸化されたミオシン軽鎖キナーゼ」が、平滑筋収縮を引き起こすわけではありません。よって、選択肢 5 は誤りです。
以上より、正解は 2,4 です。
参考)生化まとめ 筋収縮の調節機構
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