薬剤師国家試験 第104回 問108 過去問解説

 問 題     

日本薬局方収載生薬ア及びこれに含まれる化合物Aに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. AはEphedra sinicaの地上茎に含まれる副交感神経興奮薬である。
  2. アは桂枝湯に配合される生薬である。
  3. アの確認試験として、薄層クロマトグラフィーを用い、噴霧用ニンヒドリン・エタノール試液によるAの検出が行われている。
  4. アを含む漢方薬の使用上の注意として不眠がある。
  5. ア及びAは、いずれも覚せい剤原料として取り扱われている。

 

 

 

 

 

正解.3, 4

 解 説     

化合物 A はエフェドリンです。これは読めないといけない構造です。すると、エフェドリンが含まれる代表的生薬としてマオウが連想されると思われます。

選択肢 1 ですが
エフェドリンは「交感神経」興奮薬です。「副交感神経」ではありません。よって、選択肢 1 は誤りです。ちなみに、Ephedra sinica は「マオウ」のことです。

選択肢 2 ですが
桂枝湯は「桂皮(ケイヒ)、芍薬(シャクヤク)、大棗(タイソウ)、甘草(カンゾウ)、生姜(ショウキョウ)」が構成生薬です。マオウは含まれません。よって、選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3,4 は妥当な記述です。

選択肢 5 ですが
生薬である「マオウ」は、覚せい剤原料として取り扱われてはいません。よって、選択肢 5 は誤りです。

以上より、正解は 3,4 です。

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