薬剤師国家試験 第106回 問169 過去問解説

 問 題     

抗ウイルス薬の作用機序に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. エムトリシタビンは、細胞内で三リン酸化体となり、DNA 依存性 RNA ポリメラーゼを阻害する。
  2. ラルテグラビルは、HIV プロテアーゼを阻害する。
  3. リバビリンは、細胞内で三リン酸化体となり、RNA 依存性 DNA ポリメラーゼを阻害する。
  4. ファビピラビルは、細胞内でリボシル三リン酸体となり、RNA 依存性 RNA ポリメラーゼを阻害する。
  5. バロキサビルマルボキシルは、体内で活性体に変換されて、キャップ依存性エンドヌクレアーゼを阻害する。

 

 

 

 

 

正解.4, 5

 解 説     

選択肢 1 ですが
エムトリシタビンは、核酸系逆転写酵素阻害剤です。RNA → DNA とする逆転写酵素を阻害します。DNA 依存性 RNA ポリメラーゼ阻害薬ではありません。選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 ですが
ラルテグラビルは、インテグラーゼ阻害薬です。プロテアーゼ阻害薬ではありません。選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3 ですが
リバビリンは細胞内でリン酸化され、HCV 由来 RNA 依存性 RNA ポリメラーゼによる、グアノシン三リン酸の RNA への取込みを抑制することで抗ウイルス作用を示します。

選択肢 4,5 は妥当です。
ファビピラビル(アビガン)は、核酸アナログで RNA 依存性 RNA ポリメラーゼ阻害剤です。
バロキサビル マルボキシル(ゾフルーザ)は、A型・B型インフルエンザ治療薬です。エンドヌクレアーゼ阻害薬です。

以上より、正解は 4,5 です。

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