薬剤師国家試験 第106回 問108 過去問解説

 問 題     

写真A~Eに示した生薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。

  1. Aはキョウニンで、鎮咳作用を期待して麻黄湯に配合される。
  2. Bはサンショウで、腹部を温めることや健胃作用を期待して大建中湯に配合される。
  3. Cはサンシシで、利胆作用を期待して葛根湯に配合される。
  4. Dはハンゲで、瀉下作用を期待して半夏瀉心湯に配合される。
  5. Eはショウキョウで、鎮嘔作用や健胃作用を期待して六君子湯に配合される。

 

 

 

 

 

正解.2

 解 説     

選択肢 1 ですが
A はショウキョウです。キョウニンではありません。選択肢 1 は誤りです。ちなみに、麻黄湯の構成生薬は、マオウ、ケイヒ、キョウニン、カンゾウです。

選択肢 2 は妥当です。
ちなみに、大建中湯の構成生薬は、サンショウ、ニンジン、カンキョウ、コウイです。

選択肢 3 ですが
C はサンシシです。前半部分は妥当です。しかし、葛根湯にサンシシは含まれません。選択肢 3 は誤りです。葛根湯の構成生薬は、カッコン、タイソウ、マオウ、カンゾウ、ケイヒ、シャクヤク、ショウキョウです。

選択肢 4 ですが
D はハンゲです。前半部分は妥当です。瀉下作用を期待するとは、下剤として用いるということです。半夏瀉心湯は、胸につかえ感がある人の胸焼け、下痢などに用いられる処方です。「瀉下作用を期待して」という記述が明らかに誤りです。選択肢 4 は誤りです。ちなみに、半夏瀉心湯の構成生薬は、ハンゲ、オウゴン、カンキョウ、ニンジン、カンゾウ、タイソウ、オウレンです。

選択肢 5 ですが
E はキョウニンです。ショウキョウではありません。選択肢 5 は誤りです。ちなみに、六君子湯の構成生薬は、ニンジン、ソウジュツ、ブクリョウ、ハンゲ、チンピ、タイソウ、カンゾウ、ショウキョウです。

以上より、正解は 2 です。

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