問 題
エステルの加水分解の反応機構における電子対の動きを表す矢印のうち、塩基の働きを示すのはどれか。1つ選べ。
- ア
- イ
- ウ
- エ
- オ
正解.4
解 説
アは、OH-がδ+の炭素(C)を求核攻撃しています。これは塩基性の働きではなく、求核性の働きによるものなので、アは不適です。δ+の炭素(C)にアタックするのが求核性、プロトン(H+)を引き抜くのが塩基性だと考えてください。
イは、脱離反応です。酸・塩基反応とは特に関係がありません。
ウは、プロトン(H+)を放出しているので、反応前の物質(酢酸)はプロトン供与体となります。プロトン供与体はブレンステッド・ローリーの酸の定義なので、ウは酸性の働きを示しています。
エは、OH-がプロトン(H+)を引き抜いているので、これはプロトン受容体です。プロトン受容体はブレンステッド・ローリーの塩基の定義なので、エは塩基性の働きを示しています。よって、これが正解です。
オは、化学反応式の矢印が「↔」になっていることからもわかる通り、共鳴構造式です。よって、酸・塩基反応とは特に関係がありません。
以上より、正解は 4 です。
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