薬剤師国家試験 第101回 問75 過去問解説

 問 題     

麻薬小売業者の免許を受けている薬局における麻薬 (ジアセチルモルヒネを除く) の取扱いのうち、事前に許可を受ける必要があるのはどれか。1 つ選べ。

  1. 家庭麻薬の廃棄
  2. 同一都道府県内の麻薬卸売業者からの購入
  3. 麻薬処方箋に基づく調剤
  4. 同一都道府県内の薬局間での譲渡・譲受
  5. 調剤済麻薬の廃棄

 

 

 

 

 

正解.4

 解 説     

麻薬小売業者とは、県知事の免許を受け、麻薬施用者が発行する麻薬処方せんに基づき、調剤した麻薬を譲り渡すことを業とする者 のことです。

選択肢 1 ですが
1 %以下のコデイン、ジヒドロコデインは、家庭麻薬という分類になります。非常に紛らわしいのですが家庭麻薬は、麻薬ではありません。事前の許可は、不要です。よって、選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 ですが
麻薬の購入の相手は、県内の麻薬卸売業者に限られます。つまり、県内の麻薬卸売業者相手であれば事前の許可は、不要です。※「譲受証」と「譲渡証」は必要です。よって、選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3 ですが
免許を受ければ、麻薬処方箋に基づく調剤に事前の許可は、不要です。(麻薬処方箋に基づく調剤を行うための「免許」だからさらなる事前の許可は不要ということです。)

選択肢 4 は、正しい選択肢です。
同一都道府県内であろうと「薬局間での譲渡・譲渡し」には事前の許可が必要です。つまり、例として、麻薬小売免許を受けている薬局で勤務中麻薬処方箋を持った患者が来客 → 在庫がないから、近くの薬局から譲ってもらいたい → 事前の許可がないとできない ということです。

選択肢 5 ですが
調剤済み麻薬の廃棄に関しては、廃棄「後」30日以内に届け出を提出する必要があります。後、立会者が必要です。事前の許可は、不要です。※調剤されるかはわからないから、事前許可は現実的ではない、という話。よって、選択肢 5 は誤りです。

以上より、正解は 4 です。
類題 100-314315
参考 法規・制度・倫理まとめ 麻薬及び向精神薬取締法

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