問 題
日本薬局方キシリトール(C5H12O5:152.15)の定量法に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
「本品を乾燥し、その約0.2gを精密に量り、水に溶かし、正確に100mLとする。この液10mLを正確に量り、ヨウ素瓶に入れ、過ヨウ素酸カリウム試液50mLを正確に加え、水浴中で15分間加熱する。冷後、ヨウ化カリウム2.5gを加え、直ちに密栓してよく振り混ぜ、暗所に5分間放置した後、遊離したヨウ素を0.1mol/L( A )で滴定する(指示薬:( B )3mL)」
- キシリトールと過ヨウ素酸カリウムの反応で酸化数が変化している原子は、それぞれの分子中の酸素とヨウ素である。
- ( A )は、チオシアン酸アンモニウム液である。
- ( B )は、デンプン試液である。
- ( C )は、CH3CHO(アセトアルデヒド)である。
- ( D )は、HCOOH(ギ酸)である。
解 説
選択肢 1 ですが
「過ヨウ素酸カリウム中の酸素」に注目すれば、4IO4– → 4IO3– において、反応前後共に、O は「2–」と考えられます。(I は +7 → +5)この酸素の酸化数は変わっていないため、選択肢 1 は誤りです。
選択肢 2 ですが
「遊離ヨウ素の還元」といえば「遊離したヨウ素を、チオ硫酸ナトリウムで滴定」です。(102-96 などで既出)。「チオシアン酸アンモニウム液」ではありません。ちなみに、チオシアン酸アンモニウムは「NH4SCN」です。金属イオンと反応して呈色します。鉄と反応して赤が有名です。
選択肢 3 は妥当な記述です。
遊離するヨウ素の指示薬として、デンプン試液の組み合わせは基礎知識です。
選択肢 4 ですが
アセトアルデヒドとすると、反応式の左辺 C 5個なので、炭素の数が合わなくなります。すなわち、アセトアルデヒドは炭素数 2 なので、右辺の「2C」の所で 炭素4個となります。すると炭素は残りは1個ですが、D の係数が3のためありえません。よって、選択肢 4 は誤りです。ちなみに、C はホルムアルデヒド(HCHO)が入ります。
選択肢 5 は妥当な記述です。
以上より、正解は 3,5 です。
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