国家公務員総合職(化学・生物・薬学)R1年 問3解説

 問 題     

図のように、次の方法 A、B により湯を冷却することを考える。

方法A:  二つのコップに90 ℃ の湯を 100mL ずつ入れ、コップと湯の温度が同じ温度 TA1 になったところで、一方のコップの湯を他方のコップに全量移す。以上の方法で冷却された湯の温度を TA2 とする。

方法B:  一つのコップに 90 ℃ の湯 200 mLを入れ、コップと湯の温度が同じ温度 TB1 になったところで、もう一つのコップに湯を全量移す。以上の方法で冷却された湯の温度を TB2 とする。

このときの TA1 と TB1 及び TA2 と TB2 の大小関係に関する次の記述の ㋐、㋑に当てはまるものの組合せとして最も妥当なのはどれか。ただし、全てのコップは、初め室温であり、それらの熱容量は等しいものとする。また、これらの過程において、湯とコップはすぐに同じ温度になり、コップ以外への熱の流出は無視できるものとする。

「TA1 ㋐ TB1 であり、TA2 ㋑ TB2 である。」

  ㋐ ㋑
1.< <
2.< >
3.= >
4.= <
5.> =

 

 

 

 

 

正解.2

 解 説     

方法 B の方が、初めに一つのコップに熱いお湯がいっぱい注がれるから、落ち着く温度は高い。つまり TA1 < TB1 とわかります。正解は 1 or 2 です。

次に TA2 と TB2 の大小関係ですが
この問題でやっていることは結局の所、室温を基準温度とし、『90℃ の湯 200mL が持つ熱量をコップと分配している』といえます。そして、湯とコップの持つ熱量を合わせた「総熱量」は変化しません。

方法 A の時に最後に空になっているコップの温度は TA1 です。一方、方法 B の時に 最後に空になっているコップの温度は TB1 です。温度が TB1 の方が高いのだから、空のコップに多く熱量があるとわかります。

総熱量が一定なので、方法 B で湯を冷却すると、最終的に湯が入っている側の熱量は、相対的に方法 A より少ないです。従って、TB2 の方が、TA2 よりも温度は低いとわかります。

以上より、正解は 2 です。

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