薬剤師国家試験 第102回 問187 過去問解説

 問 題     

58歳男性。既往歴なし。20歳頃より現在まで喫煙継続中(20本/日)。半年前より、軽度の咳嗽及び喀痰がみられたが放置していた。しかし最近、会社の健康診断で肺の腫瘤陰影を指摘され、呼吸器内科を受診した。

胸部エックス線では、右肺門部に径3cm大の腫瘤陰影が認められ、経気管支内視鏡検査では、右主気管支の圧迫像が認められた。さらに気管支肺生検の結果、小細胞肺癌と診断された。

本患者の治療に適切な薬物はどれか。2つ選べ。

  1. フルオロウラシル
  2. イリノテカン塩酸塩
  3. ゲムシタビン塩酸塩
  4. ブレオマイシン塩酸塩
  5. シスプラチン

 

 

 

 

 

正解.2, 5

 解 説     

小細胞肺がんと診断されているので「プラチナ製剤+エトポシド or イリノテカン」 が、本試験時点における標準的なレジメンです。従って、正解は 2,5 と考えられます。

ちなみに、選択肢 1 ですが
フルオロウラシルを用いる代表的レジメンといえば、FOLFOX、FOLFIRI です。大腸がんに対するレジメンです。

選択肢 3 ですが
ゲムシタビンを用いる代表的レジメンといえば、GEM 療法です。膵がんに対するレジメンです。

選択肢 4 ですが
ブレオマイシンを用いる代表的レジメンといえば、ABVD 療法です。ホジキンリンパ腫に対するレジメンです。

コメント