国家公務員総合職(化学・生物・薬学)H30年 問36解説

 問 題     

水素吸蔵合金は、温和な条件で可逆的に水素を吸蔵・放出できる合金の総称で、代表的なものにLaNi5、Mg2Ni、TiFe 等がある。水素吸蔵合金に関する記述㋐、㋑、㋒のうち下線部が妥当なもののみを全て挙げているのはどれか。

㋐ 水素原子の数密度が 4.2 K における固体水素よりも大きい水素吸蔵合金が存在する
㋑ 水素を吸蔵している水素吸蔵合金を冷却すると水素が放出される。
㋒ 水素吸蔵合金は、ニッケルー水素電池の正極材料として用いられる。

1.㋐
2.㋐、㋑
3.㋐、㋑、㋒
4.㋑、㋒
5.㋒

 

 

 

 

 

正解.1

 解 説     

㋐ は妥当な記述です。
原子状の水素が物質と結合することで、水素-水素間距離を短くすることができ、固体水素よりも体積水素密度が高い状態での水素保有を可能とするものもあります。

㋑ ですが
「冷却」ではなく「加熱」です。よって、㋑ は誤りです。

㋒ ですが
水素または水素化合物は「負極」の材料です。

以上より、正解は 1 です。

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