国家公務員総合職(化学・生物・薬学)H28年 問85解説

 問 題     

花成に関する次の記述の㋐〜㋓に当てはまるものの組合せとして最も妥当なのはどれか。

「シロイヌナズナの花芽形成は、複数の経路によって制御される。㋐による誘導では、㋑に応答して FLOWERING LOCUS C に代表される花成抑制遺伝子の働きが弱まることにより、花成促進遺伝子である FLOWERING LOCUS T(FT)が活性化する。

㋒による誘導では、転写因子 CONSTANS の蓄積により FT が活性化される。㋓ で産生されたFT タンパク質は花芽分裂組織を形成させる。」

 

 

 

 

 

正解.3

 解 説     

㋐、㋑ ですが
まず、FLOWERING LOCUS C は「春化」の鍵遺伝子です。そして、植物が冬の低温状況に一定期間さらされることによって、開花もしくは発芽能力が誘導されることを春化といいます。よって、㋐ は「春化」、㋑ は「低温」です。正解は 3 or 4 です。これにより、㋒ は「光周期性」とわかります。

㋓ ですが
日長を感知し、葉でホルモンが合成され、それが茎頂に運ばれて花芽形成が促されます。㋓ は「葉」です。

以上より、正解は 3 です。

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