問 題
植生に関する記述㋐~㋓のうち妥当なもののみを全て挙げているのはどれか。
㋐ 遷移系列上で最初に定着する植物種を先駆種といい、種子を重力散布する種が多い。
㋑ 草原から森林への植生遷移を一次遷移、主に陽樹が構成する森林から主に陰樹が構成する森林への遷移を二次遷移という。
㋒ 伐採、開墾、火入れ、放牧などのヒトの活動の影響を受け自然植生が壊された後に形成された植生を代償植生という。
㋓ 日本の植生の地理分布は温量指数と呼ばれる指標でおおむね説明することができ、これは植物が成長可能と考えられる月平均気温が10°C 以上の月の積算温度である。
1. ㋐
2. ㋐ ㋓
3. ㋑
4. ㋑ ㋒
5. ㋒
解 説
㋐ ですが
先駆種とは、新しく開けた場所に、他の種に先がけて発芽成長するものの総称です。特徴としては・種子が小さく数が多い。風散布が多い。鳥散布もある。寿命が比較的長く、環境条件が合うまで土に埋もれている(埋土種子)。成長が早い、寿命が短い といったものがあげられます。「重力散布する種が多い」は妥当ではないと考えられます。
㋑ ですが
一次遷移か二次遷移か とは、元々更地での遷移か、既存植生の一部が山火事などでなくなった場所での遷移か、という区分です。草原から森林への遷移と、陽樹から陰樹への遷移という区分ではありません。
㋒ は妥当な記述です。
㋓ ですが
温量指数とは一種の積算温度です。月の平均気温が5℃を越える月を植物が生育できる期間、逆に、5℃未満の月を非生育期間と仮定して算出します。“暖かさの指数”は、月平均気温が5℃を越す月の平均気温から5℃を引いた値を加算してもとめます。また、“寒さの指数”は月平均気温が5℃未満の月について、月の平均気温と5℃との差の合計で、マイナスをつけてあらわされます。「10℃ 以上の月の積算温度」ではありません。
以上より、正しい記述は ㋒です。正解は 5 です。
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