問 題
水質汚濁に係る環境基準のうち、生活環境の保全に関する環境基準(生活環境項目)の中には、DO(溶存酸素量)、COD(化学的酸素要求量)、SS(浮遊物質量)、油分等、全窒素がある。こ
れらの測定に関する次の記述のうち、COD のものとして最も妥当なのはどれか。
1. 適量の試料に硫酸マンガン(Ⅱ)とアルカリ性ヨウ化カリウム-アジ化ナトリウム溶液を加える。試料に含まれる測定対象物の存在量に対応して生成するヨウ素の量を、チオ硫酸ナトリウム溶液で滴定して求める。
2. 適量の試料に水酸化ナトリウム-ペルオキソ二硫酸カリウム溶液を加え、約 120°C で 30 分間加熱する。試料に含まれる測定対象物の存在量に対応して生成する NO3– の量を、紫外吸光光度計を用い、pH = 2 ~ 3、220 nm の吸光度から求める。
3. 適量の試料を硫酸酸性とし、過マンガン酸溶液を加え、沸騰水浴中で 30 分間反応させる。こ
の反応によって消費された過マンガン酸の量を滴定して求める。
4. あらかじめ質量を求めた孔径 1μm、直径 24~ 55 mm のガラス繊維ろ紙を用い、適量の試料を吸引ろ過する。ろ過後のろ紙を乾燥させ質量を量り、ろ紙の質量の変化から求める。
5. 適量の試料に塩化鉄(Ⅲ)溶液と炭酸ナトリウム溶液を加えて静置し、上澄み層を捨て、沈殿層
に塩酸を加えた後、n – ヘキサンを加えて混合、静置する。ヘキサン層を取り出し、脱水ろ過後、約 80°C で n – ヘキサンを揮散させ、残留する物質の質量から求める。
解 説
選択肢 1 ですが
硫酸マンガンと、ヨウ化カリウムーアジ化ナトリウムと来れば、DO の検査法です。ウィンクラー法と呼ばれます。COD ではありません。よって、選択肢 1 は誤りです。
選択肢 2 ですが
生成する NO3– の量を測定していることから、COD ではないと判断できるのではないでしょうか。これは全窒素の測定法です。よって、選択肢 2 は誤りです。
選択肢 3 は妥当な記述です。
選択肢 4 ですが
吸引ろ過でわかるのは SS です。よって、選択肢 4 は誤りです。
選択肢 5 ですが
n – ヘキサン層に溶かし込ませているので、油分等と考えられます。COD ではありません。よって、選択肢 5 は誤りです。
以上より、正解は 3 です。
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