国家公務員総合職(化学・生物・薬学)H26年 問3解説

 問 題     

断熱容器に-10°C の氷を 50g 入れ、一定の電力で容器内をゆっくり加熱し続けた。容器内を加熱し始めてから 21 秒後に氷が0°C となってとけ始め、その後、氷及び水の温度が0°C のまま氷がとけ続けた。容器内を最初に加熱し始めてから 54 秒経過したときに、とけずに残った氷の質量はおよそいくらか。

ただし、氷の比熱を 2.1J/(g・K)、 融解熱を 3.3 × 102 J/g とする。また、氷及び水以外の熱容量は無視できるものとする。

1. 25 g
2. 30 g
3. 35 g
4. 40 g
5. 45 g

 

 

 

 

 

正解.5

 解 説     

「氷 50g ー10℃」 → 「氷 50g 0 ℃」の変化をまず考えます。

氷の比熱が 2.1J/g・K とあるので、1g の氷を 1℃ 上昇するのに 2.1 J です。50g を 1℃上昇で 105J です。よって、50g を 10℃上昇させるには 1050 J の熱が与えられています。21 秒で 1050 J なので、1秒あたり 50J とわかります。

21 秒後から 54 秒後まで、33 秒間経過しています。この間 1 秒で 50 J なので 50 × 33 = 1650 J の熱が 0 ℃の氷に与えられています。その熱は融解熱として使われます。

融解熱は 330J/g とあるので 1650J の熱で 5g の氷が水に融解したとわかります。元々 50g の氷が、5g 溶けたので、残っている氷は 45g です。

以上より、正解は 5 です。

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