薬剤師国家試験 第103回 問188 過去問解説

 問 題     

全身性エリテマトーデス(SLE)に関する記述のうち、誤っているのはどれか。2つ選べ。

  1. 自己抗体により形成される免疫複合体が組織に沈着し、臓器に慢性の炎症を引き起こす。
  2. 特徴的な症状として両側頬部にわたる蝶形紅斑が認められる。
  3. 関節所見としては関節痛や関節炎が主体で、骨破壊はまれである。
  4. 40~50歳代の女性に好発する。
  5. 肝機能の悪化はSLEの予後を左右する最も重要な因子である。

 

 

 

 

 

正解.4, 5

 解 説     

選択肢 1 ~ 3 は、正しい記述です。
SLE は免疫複合体の関与する全身性の慢性的炎症による様々な症状が引き起こされる疾患です。Sが systematic で「全身性」を意味します。L,Eが lupus erythematosus で 「紅斑性狼瘡」です。lupus がドイツ語で狼だそうです。

20-40歳女性に特に多く、患者ほぼ全員が抗核抗体を持っているという特徴があります。治療はステロイド、免疫抑制剤を用います。予後規定因子として重要なのは SLE と併発しやすい腎障害です。従って、選択肢 4,5 は誤りです。

以上より、正解は 4,5 です。

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