問 題
ネフローゼ症候群の病態と治療に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- 低アルブミン血症が認められる。
- 食事療法は高タンパク食を基本とする。
- 浮腫の改善にはアンギオテンシンⅡ受容体拮抗薬が用いられる。
- 血液凝固能亢進の改善の第一選択薬として、アスピリンが用いられる。
- ステロイド抵抗性を示す場合は、免疫抑制薬が併用される。
正解.1, 5
解 説
ネフローゼ症候群とは、高度のタンパク尿により低タンパク血症を来す状態の総称です。臨床的にはむくみ(浮腫)が認められます。
選択肢 1 は、正しい記述です。
アルブミンは、血中タンパク質の一種です。
選択肢 2 ですが
タンパク質を分解した時に出てくる尿素窒素等の窒素化合物の処理が腎臓の負担となります。そのため「低」タンパク食が基本です。「高」タンパク食ではありません。よって、選択肢 2 は誤りです。
選択肢 3 ですが
浮腫の改善には、利尿薬等が用いられます。ATⅡ受容体拮抗薬ではありません。よって、選択肢 3 は誤りです。
選択肢 4 ですが
ヘパリンやワーファリンが用いられます。アスピリンではありません。よって、選択肢 4 は誤りです。
選択肢 5 は、正しい記述です。
シクロスポリン、タクロリムス、ミゾリビンなどが用いられます。
以上より、正解は 1,5 です。
類題 98-58
参考 病態・薬物治療学まとめ ネフローゼ症候群の病態生理、治療薬、注意点
コメント
「選択肢 3 ですが
浮腫の改善には、ステロイド、ACE阻害薬等が用いられます。ATⅡ受容体拮抗薬ではありません。よって、選択肢 3 は誤りです。」
とありますが、ステロイドもACE阻害薬も副作用として浮腫が存在します。浮腫の改善はループ利尿薬などではないでしょうか。
解説を修正いたしました。
コメントありがとうございます!