問 題
以下は日本薬局方アセトアミノフェンの純度試験(液体クロマトグラフィー)の記述の一部である。次の記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
操作条件
検出器：A紫外吸光光度計(測定波長：225nm)
カラム：内径約4mm、長さ約15cmのステンレス管に5μmの液体クロマトグラフィー用Bオクタデシルシリル化シリカゲルを充塡する。
カラム温度：40℃付近の一定温度
移動相：CpH4.7の0.05mol/Lリン酸二水素カリウム試液／メタノール混液(4：1)
流量：アセトアミノフェンの保持時間が約5分になるように調整する。
カラムの選定：本品及び4-アミノフェノール塩酸塩0.01gずつをメタノール1mLに溶かし、移動相を加えて50mLとする。この液1mLをとり、移動相を加えて10mLとする。この液10μLにつき、上記の条件で操作するとき、( D )の順に溶出し、そのE分離度が7以上のものを用いる。
- Aの検出器の光源には、通常、キセノンランプが用いられる。
- Bのオクタデシルシリル化シリカゲルは順相系の固定相である。
- Cの移動相中のメタノール含量を増やすと、アセトアミノフェンの保持時間は短くなる。
- Dは、アセトアミノフェン、4-アミノフェノールの順である。
- Eの条件をみたすとき、分離度が1.5以上であるので、2つのピークは完全分離している。
解 説
選択肢 1 ですが
UV の光源は重水素ランプです。キセノンランプは蛍光吸収法の光源として用います。よって、選択肢 1 は誤りです。
※以下、クロマトグラフィー＝CGと表記します。
選択肢 2 ですが
まず、逆相CGが、流すのが水のような極性溶媒で固定相が疎水性です。従って、順相はその逆です。固定相は「親水性」でなければなりません。で、シリカゲルだったら親水性です。水を吸う乾燥剤として用いられていることから判断できると思われます。「オクタデシル化」とは、オクタデシルが C18 のことなので、長い炭素付けて疎水性にした ということです。つまり「オクタデシル化シリカゲル」は「疎水性」です。よって、「逆相系の固定相」に用いられます。
以上より、選択肢 2 は誤りです。
選択肢 3 は、正しい記述です。
メタノールは親水性の移動相です。メタノール含量を増やせば水性物質が溶けやすくなり、より速くパ～っと流れていくことになります。つまり保持時間は短くなります。
選択肢 4 ですが
アセトアミノフェンと４－アミノフェノールの構造を比較すると、４－アミノフェノールの方が親水性と考えられます。（アセトアミノフェンは、４－アミノフェノールのアミノ基のHがアセチル基になった構造だからです。）
従って、溶出順は先に４－アミノフェノールです。よって、選択肢 4 は誤りです。
選択肢 5 は、正しい記述です。
以上より、正解は 3,5 です。
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