99回薬剤師国家試験 問306-307解説

 問 題     

44歳の女性が薬局を訪れ、家族のための常備薬として、以下の一般用医薬品の購入を希望した。薬局での情報収集により、家族構成は夫45歳、長女22歳、長男10歳の4人家族であることがわかった。

問306

この女性に対する本剤の注意点の説明として、誤っているのはどれか。1つ選べ。

  1. 他の解熱鎮痛薬と同時に服用しないでください。
  2. 長男が用いる時は1回半錠とし、1錠は服用しないでください。
  3. 胃・十二指腸潰瘍の治療を受けている人は服用しないでください。
  4. 服用前後は飲酒をしないでください。
  5. 出産予定日12週以内の妊婦は服用しないでください。

問307

一般用医薬品に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. 医薬品のうち、その効能及び効果において人体に対する作用が著しくないものは一般用医薬品である。
  2. 薬局開設者又は店舗販売業者は、配置による方法で一般用医薬品を販売してはならない。
  3. 薬剤師又は登録販売者は、相談者の症状をもとに病名を診断し、使用する一般用医薬品を決定して販売する。
  4. 薬剤師又は登録販売者は、その薬局又は店舗において一般用医薬品を購入した者からその医薬品について相談を受けた場合、情報提供をしなければならない。

 

 

 

 

 

正解.
問306:2
問307:2, 4

 解 説     

問306

選択肢 1 は、その通りの記述です。

選択肢 2 ですが
アスピリンは、15歳未満の小児には服用しないこと となっています。有効成分がアセトアミノフェンで用量が少ない、小児用バファリンなどを長男が用いる場合にはお勧めするとよいと考えられます。よって、選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3 ~ 5 は、その通りの記述です。

以上より、正解は 2 です。

問307

選択肢 1 ですが
薬事法第25条によれば「医薬品のうちその効能及び効果において人体に対する作用が著しくないものであって薬剤師その他の医療関係者から提供された情報に基づく需要者の選択により使用されることが目的とされているもの」が、一般用医薬品です。

つまり「医薬品のうちその効能及び効果において人体に対する作用が著しくないもの」が、全て一般用医薬品では、ありません。よって、選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 は、その通りの記述です。
(薬事法37条1項)。ちなみに、配置による方法とは、先に薬を家に預け、使った分だけお金をもらうという方法です。

選択肢 3 ですが
薬剤師や、登録販売者は診断を行うことはできません。よって、選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 は、その通りの記述です。
(薬事法36条の6)

以上より、正解は 2,4 です。

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