問 題
54歳男性。検査の結果、アジソン病の確定診断を受け、経口ホルモン補充療法が施行されることとなった。
問292
アジソン病の典型的な所見はどれか。2つ選べ。
- 低血圧
- 血清カリウム値の低下
- 色素沈着
- 体重増加
- 好酸球減少
問293
アジソン病に対する副腎皮質ホルモン補充の薬物投与設計として最も適切なのはどれか。1つ選べ。
正解.
問292:1, 3
問293:2
解 説
問292
アジソン病とは、副腎皮質機能低下症です。全身のだるさ、低血圧、皮膚の色が黒くなるといった症状が見られます。
以上より、正解は 1,3 です。
ちなみに、アジソン病=副腎皮質機能低下 まで思い出せたけど、典型的な所見なんてわからない。。こんなのまで覚えとくの・・・。と感じた人もいるかもしれません。そこで副腎皮質→ステロイドホルモン産生器官→副腎皮質の機能が低下すればステロイド使用による代表的副作用の、逆の症状が出るのではないか。
以下、各選択肢に対する推理
→ 低血圧は正解では。(ステロイドの副作用に高血圧ある。)
→ K+ は、上がるのでは?(ステロイドの副作用に、低 K がある。)
→ 体重は、減るのでは?(ステロイドの副作用に、体重増加がある。)
→ 色素はわかんないなぁ。。。
→ 好酸球は、免疫を司るだろうからステロイド使用で免疫抑制なのでアジソンでは増えるのでは?と推測することで、正解に辿り着くことができるのではないかと考えられます。
類題 98-61
問293
アジソン病とは、副腎皮質機能不全症です。糖質コルチコイド及び鉱質コルチコイドが欠乏し、様々な症状をきたします。
薬物治療の主眼は、糖質コルチコイドの補充におかれます。必要があれば、鉱質コルチコイドの補充も行います。糖質コルチコイドの補充としてヒドロコルチゾンが用いられます。鉱質コルチコイドの補充としてフルドロコルチゾンが用いられます。
糖質コルチコイド の分泌は、早朝に最大となり、夜が最小になります。そのため糖質コルチコイドの補充目的の薬物投与においては、自然のリズムに合わせて午前中に多めに投与しその半量程度を夕方などに投与します。選択肢の中で、糖質コルチコイドを朝の方が多いリズムで投与するような投与設計となっているのは選択肢 2 です。
以上より、正解は 2 であると考えられます。
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