99回薬剤師国家試験 問232-233解説

 問 題     

49歳女性。秋の連休に山へハイキングに行った。帰宅後、上腕部に違和感を感じ約3mmのダニが付着しているのに気付いた。そこで、直ちに皮膚科を受診してダニを取り除き、近所の保険薬局を訪れて、処方された副腎皮質ステロイドを含有するチューブ入りの軟膏を受け取った。

問232

女性は、医師より「ワン・フィンガー・チップ・ユニット(1FTU)」の量を塗布するように指示があったと薬剤師に話した。この単位に相当する軟膏の目安量はどれか。1つ選べ。

問233

ダニが媒介する感染症はどれか。2つ選べ。

  1. 破傷風
  2. 重症急性呼吸器症候群(SARS)
  3. 日本脳炎
  4. 重症熱性血小板減少症候群(SFTS)
  5. つつが虫病

 

 

 

 

 

正解.
問232:3
問233:4, 5

 解 説     

問232

フィンガーチップユニットとは、塗り薬を塗る量の単位のことです。1単位は人差し指の先から、第一関節までです。

以上より、正解は 3 です。

問233

選択肢 1 ですが
破傷風は、傷口から破傷風菌が侵入することが感染経路です。ダニが媒介するわけでは、ありません。よって、選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 ですが
SARS は、飛沫感染などが感染経路です。ダニが媒介するわけでは、ありません。よって、選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3 ですが
日本脳炎は、蚊によるウイルスの媒介が感染経路です。ダニが媒介するわけでは、ありません。よって、選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4,5 は、正解です。
ちなみに、SFTS は、2013 年 3 月から、4 類感染症に追加された感染症です。

以上より、正解は 4,5 です。

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