薬剤師国家試験 第99回 問213-214 過去問解説

 問 題     

53歳女性。開腹手術にて大腸がんを切除した。手術は予定通り終わり、手術後2日目から大建中湯が処方された。

問213

本症例において大建中湯の服用により最も期待される効果はどれか。1つ選べ。

  1. 内臓鈍痛予防
  2. 感染予防
  3. 腸閉塞(イレウス)予防
  4. 創傷治癒亢進
  5. 免疫力増強

問214

大建中湯に配合される生薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. サンショウは、辛味成分としてヒドロキシ-α-サンショオールを含有する。
  2. ニンジンは、精油成分としてギンセノシドRg1を含有する。
  3. カンキョウは、苦味成分として[6]-ギンゲロールを含有する。
  4. コウイは、甘味成分としてマルトースを含有する。

 

 

 

 

 

正解.
問213:3
問214:1, 4

 解 説     

問213

大建中湯により期待される効果は、開腹手術後の腸閉塞の予防です。

以上より、正解は 3 です。

問214

選択肢 1 は、その通りの記述です。

選択肢 2 ですが
ニンジンに含まれるギンセノシド Rg1 は、精油成分ではありません。サポニン、すなわち糖が結合した、トリテルペンやステロイド の一種です。界面活性作用を示します。よって、選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3 ですが
カンキョウに含まれる苦味成分は[6]-ショウガオールです。この成分は、ショウキョウに含まれる[6]-ジンゲロールが変化したもので、別の成分です。よって、選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 は、その通りの記述です。

以上より、正解は 1,4 です。

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