薬剤師国家試験 第99回 問194 過去問解説

 問 題     

多変量解析の各手法のうち、量的変数を目的変数に用いるものはどれか。2つ選べ。

  1. 重回帰分析
  2. ロジスティック回帰分析
  3. 判別分析
  4. 数量化Ⅰ類
  5. 数量化Ⅱ類

 

 

 

 

 

正解.1, 4

 解 説     

選択肢 1 は、正しい選択肢です。
重回帰分析とは、回帰分析の変数が増えた場合です。

回帰分析とは y = ax + b のような1次関数のような形で2つの変数の関係を評価する分析法です。中学生の定期試験で、英語の点数から国語の点数を予測する、といった時に使う分析法です。回帰分析では、扱う変数は量的変数だけではなく、後述するダミー変数(0か1のみ 値を取る変数)を用いて質的変数を扱うことができる手法が存在します。

重回帰分析は、z = ax + by + c のような形で評価する分析法です。重回帰分析において、扱う x や y は数字です。つまり、量的変数です。

選択肢 2 ですが
ロジスティック回帰とは、二値変数(好き、嫌い など)に対する回帰分析のことです。このような変数には、大小や優劣が存在しないため量的変数です。よって、選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3 ですが
判別分析とは、個体の特性から個体がどの群に属するかを予想するための手法です。例えば、中島みゆきが好きで、AKB を知らなければ60代以上に属する といった分析です。目的変数は、◯◯に属する or 属さない という変数なので優劣がなく、大小もないため、質的変数です。よって、選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 は、正しい記述です。
数量化Ⅰ類とは、目的変数が量的変数だが、説明変数が質的変数である場合の解析方法です。質的変数を、ダミー変数に変換した上で、ダミー変数を量的変数と考えて重回帰モデルを想定して
解析を行います。例えば、朝食を食べるかどうか、親が高学歴かどうか から 英語の点数を予測する といった場合です。

選択肢 5 ですが
数量化Ⅱ類とは、ダミー変数を用いた判別分析のことです。目的変数は、判別分析と同じく質的変数です。よって、選択肢 5 は誤りです。

以上より、正解は 1,4 です。

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