問 題
58歳男性。体重55kg。直腸がんの再発のため、オキサリプラチン、フルオロウラシル、レボホリナートカルシウム、薬物Xによる治療を受けた。治療開始10日頃より、顔面にざ瘡様皮膚炎が起こり、その後皮膚亀裂及び爪周囲炎が見られた。この症状は薬物Xの副作用と考えられた。
薬物Xにあてはまるものはどれか。2つ選べ。
- セツキシマブ
- クリゾチニブ
- テムシロリムス
- イリノテカン硫酸塩水和物
- パニツムマブ
正解.1, 5
解 説
顔ににきびのような皮疹、皮膚炎が起きたり、爪に爪周囲(そういえん、別名 ひょうそう とも呼ばれます)が起きるのは、分子標的薬特有の副作用です。(ちなみに、この副作用は、薬の効きのよさと相関する といわれています。)よって、X は、セツキシマブ(EGFRが標的) 及び パニツムマブ(EGFRが標的)であると考えられます。
ちなみに、選択肢 2 の
クリゾチニブも分子標的薬(ALK が標的)なのですが、これは非小細胞性肺がんに用いられる肺がん用の薬です。
又、選択肢 3 の
テムシロリムスも、分子標的薬(mTOR が標的)なのですが、これは腎細胞癌に用いられる腎がん用の薬です。
以上より、正解は 1,5 です。
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