薬剤師国家試験 第99回 問186 過去問解説

 問 題     

アドレナリンβ2受容体刺激薬の吸入剤による気管支ぜん息の薬物療法に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. 短時間作用型は、長期管理における基本治療薬である。
  2. サルメテロールキシナホ酸塩は長時間作用型である。
  3. 短時間作用型は、1回1吸入を基本とし、効果不十分の場合は1時間以上間隔をあけて使用する。
  4. 副作用として、高カリウム血症がある。
  5. 副作用として、振戦がある。

 

 

 

 

 

正解.2, 5

 解 説     

選択肢 1 ですが
ぜん息の長期管理における基本治療薬は、コントローラと呼ばれる一群の薬です。具体的には、吸入ステロイド、長時間作用型 β2 受容体刺激薬などです。短時間作用型 β2 受容体刺激薬は、リリーバーと呼ばれる薬の一種です。ぜん息の発作が出た時に用いられます。よって、選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 は、正しい記述です。
サルメテロールキシナホ酸塩の商品名は、セレベントです。

選択肢 3 ですが
代表的な短時間作用型 β2 受容体刺激薬であるプロカテロール塩酸塩(メプチン)は、成人1回2吸入です。又、効果不十分の場合、過度の使用を避けるため薬の投与を中止し、他の適切な治療法への切り替えのため受診を受けるよう指導します。よって、選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 ですが
重篤な血清カリウム値の低下が報告されています。高カリウム血症では、ありません。よって、選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 は正しい記述です。
他にも、ツロブテロール(ホクナリンテープ)などでも知られている副作用です。

※ 震えに関しては、発作のコントロールに必要であるなどのメリットと、副作用によるデメリットをふまえた上で使用を継続することもあります。その際、勝手な休薬などを防ぐために、服薬指導を通じて、理解ある服薬を行うことができるようにする必要があります。

以上より、正解は 2,5 です。

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