薬剤師国家試験 第99回 問180 過去問解説

 問 題     

凍結乾燥注射剤を製造するプロセス中のA、B、Cにあてはまる単位操作の正しい組合せはどれか。1つ選べ。

  •  A      B     C
  1. 凍結乾燥  ろ過滅菌  密封
  2. 凍結乾燥  密封    ろ過滅菌
  3. ろ過滅菌  凍結乾燥  密封
  4. ろ過滅菌  密封    凍結乾燥
  5. 密封    ろ過滅菌  凍結乾燥
  6. 密封    凍結乾燥  ろ過滅菌

 

 

 

 

 

正解.3

 解 説     

選択肢 1 ,2 ,5 ,6 ですが
凍結してからろ過しては、余計なものまで凍結されてしまうためおかしいと考えられます。

選択肢 3,4 の違いは
凍結乾燥してから密封するか、密封してから凍結乾燥するか、です。注射剤なので、シリンジタイプの容器を想像すると、密封してから凍結乾燥すると容器が破損しかねません。よって、凍結乾燥→密封 と考えられます。(ペットボトルに水を満ぱいに入れて冷凍庫で凍らせると、パンパンになっているのを想像するといいのではないかと思います。)

以上より、選択肢 3 が正解であると考えられます。

補足(私見を含みます。)
ちなみにですが、凍結乾燥注射剤製造は 抗体医薬品が急増する現在の医薬品市場において重要な役割を担っています。素晴らしい抗体を見つけたり、作り上げたとしてもその三次元構造を保持し、生物活性や特性を失わないよう製剤化しなければ、薬には、なりません。

逆に、このような製剤化や、他には薬物動態といった、様々な観点を考慮しつつ新薬の開発に携わるということこそが薬学部卒の人間に、求められている基本的な能力と個人的には感じています。

薬に関する様々な分野を学べる、非常によく練られた素材といえる国試の問題は、様々な観点に触れるきっかけとして非常に役立ち、創薬化学者にとっても非常に有意義なのではないか → 薬学部卒は、4年制も6年制も、国試の勉強ってやっぱりすべきなんじゃないのかなぁ。。。と個人的に強く思います。→ 具体的な方法としては、問1~問195まで(国試 必須問題 及び、薬学理論問題)を、大学院院試問題の 50 % ぐらいの配点で活用すればよいのに。。。と思います。(一次試験的な感じでもいいかも・・・?)
補足 終わり。

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