問 題
薬物Aの体内動態は線形1-コンパートメントモデルに従い、血中消失半減期は7時間、分布容積は20Lである。この薬物10mgを5時間ごとに繰り返し経口投与したところ、定常状態における平均血中濃度は0.8μg/mLとなった。
薬物Aの経口投与後のバイオアベイラビリティとして、最も近い値はどれか。1つ選べ。ただし、ln2=0.693とする。
- 0.1
- 0.2
- 0.4
- 0.6
- 0.8
正解.5
解 説
薬物動態パラメータをまとめると、半減期(T1/2)= 7 (h)。分布容積(Vd)= 20 (L)。
又、T1/2 = ln2 / ke です。これは、ke について解けば、ke = ln2 / T1/2 であり、ln2 ≒ 0.7 なので、ke = 0.1 (/h)です。
更に、CL = ke × Vd なので、CL = 0.1 × 20 = 2 ( L / h )となります。
ここまでをふまえて、本問では繰り返し経口投与 がキーワードです。繰り返し経口投与における定常状態の平均血中濃度は
と表されます。(公式として覚えている設定です。)
この式に C = 0.8 μg/mL、D = 10 mg = 10000 μg、τ = 5 (h)、CL = 2 (L/h) = 2000 (mL/h)を代入すると、F = 0.8 となります。
以上より、正解は 5 です。
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