薬剤師国家試験 第99回 問170 過去問解説

 問 題     

次のグラフのうち、薬物の血漿中濃度に対する尿中排泄速度(dXu/dt)及び腎クリアランス(CLr)の関係が正しく示されているのはどれか。2つ選べ。

 

 

 

 

 

正解.2, 3

 解 説     

クリアランスの定義は、消失速度 = クリアランス × C(濃度) です。

尿中排泄速度 と 腎クリアランス においては「尿中排泄速度(dXu/dt ) = 腎クリアランス(CLr) × 血漿中濃度」が成り立つと考えられます。これは、すごく単純化してしまえば y = ax のようなものです。
※ ただし、y,a,x 共に変数扱い。
※ y が dXu/dt、a がCLr、x が 血漿中濃度 に対応

これをふまえて、選択肢 1 を見ると
dXu/dt が一定のグラフになっています。「y = ax の、y が変わらない」と考えてみると
「a が増えれば、x は減る もしくは、x が増えれば、y は減る」という関係のはずです。ところが、横軸である、血漿中濃度(x に対応)が増えると、縦軸の CLr (a に対応)も、増えています。つまり「x が増えると、a も増える」という関係となっています。よって、選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 は 正しいグラフです。

選択肢 3 は、正しいグラフなのですが
一定の値を取る変数がないため、ひとまずとばして、他の選択肢の正誤を判断し消去法で考えたほうがわかりやすいと思います。

選択肢 4 ですが
CLr(a に対応) が一定であるグラフです。すると、血漿中濃度(x に対応)が増えると、縦軸の CLr (a に対応)は比例的(直線的)に増えていくと考えられます。しかし、グラフは、上に凸なグラフになっています。よって、選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 ですが
dXu/dt が一定のグラフになっています。y = ax の、y が変わらない と考えてみると「a が増えれば、x は減る もしくは、x が増えれば、y は減る」という関係のはずです。ところが、横軸である、血漿中濃度(x に対応)が増えると、縦軸の CLr (a に対応)も増えています。つまり「x が増えると、a も増える」という関係となっています。よって、選択肢 5 は誤りです。

以上より、選択肢 1,4,5 が誤りです。
正解は 2,3 です。

コメント