薬剤師国家試験 第99回 問158 過去問解説

 問 題     

利尿薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. トルバプタンは、集合管のバソプレシンV2受容体を刺激する。
  2. トラセミドは、抗アルドステロン作用を有するため、フロセミドと比較して低カリウム血症を起こしにくい。
  3. イソソルビドは、遠位尿細管から集合管のアルドステロン受容体を遮断する。
  4. インダパミドは、ヘンレ係蹄上行脚におけるNa-K-2Cl共輸送系を阻害する。
  5. アセタゾラミドは、近位尿細管でのHCO3の排泄を増加させる。

 

 

 

 

 

正解.2, 5

 解 説     

選択肢 1 ですが
トルバプタン(サムスカ)は、非ペプチド性バソプレシン受容体拮抗薬です。V2 受容体刺激では、ありません。よって、選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 は、正しい記述です。

選択肢 3 ですが
イソソルビドは、経口吸収後、血液の浸透圧を増大させます。この結果、血管外水分(浮腫)が除かれる → 血流増加 → 利尿作用 という流れで作用します。アルドステロン受容体を遮断するわけでは、ありません。よって、選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 ですが
インダパミド(ナトリックス)は、遠位尿細管に作用する薬です。ヘンレループに作用する薬ではありません。よって、選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 は、正しい記述です。

以上より、正解は 2,5 です。
参考) 薬理学 3-3 1)

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