99回薬剤師国家試験 問139解説

 問 題     

気温26.5℃の室内で、カタ係数360(mcal/cm2)のカタ温度計を用いて、そのアルコール柱が38℃から35℃に下降する時間を5回測定したところ、測定値の平均値は95秒であった。

このとき室内の気動(m/sec)はいくらか。最も近い値を1つ選べ。なお、気動(V)は以下の計算式により算出することができる。

  1. 0.14
  2. 0.20
  3. 0.28
  4. 0.48
  5. 1.5

 

 

 

 

 

正解.2

 解 説     

θ は、36.5 – 26.5 = 10 とわかります。計算式中の H 、つまりカタ冷却力を、カタ係数とアルコール柱の下降する時間からどう求めるかについては、以下の関係が成り立ちます。(この関係は、知っている前提と思われます。)

※ f : カタ係数
※ T: アルコール柱の下降する時間(秒)

よって、H は、360 ÷ 95 ≒ 4 です。H/θ ≒ 4/10 = 0.4 ≦ 0.60 なので、与えられた気動の式の、上の式を用います。値を代入してみると

この値で計算すると 0.25 です。で、H が本当はもう少し小さい値なので、分子がもう少し小さくなり、全体としても小さくなります。つまり、V は、0.25 よりも少し小さな値です。選択肢より 0.25 より小さくて、一番近い値を探すと、正解は 2 です。

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