薬剤師国家試験 第99回 問104 過去問解説

 問 題     

主生成物の構造が正しいのはどれか。2つ選べ。ただし、すべての反応は終了後、適切な後処理を施してある。

 

 

 

 

 

正解.1, 3

 解 説     

1は、水素化リチウムアルミニウムによる還元です。アミドが水素化リチウムアルミニウムで還元されるとアミンになるので、1は合っています。

2で、これも水素化リチウムアルミニウムによる還元です。水素化リチウムアルミニウムは強い還元剤なので、カルボン酸を還元させるとアルデヒドでは止まらず、さらに還元されてアルコールになります。よって、2は間違いです。

3は、水素化ホウ素ナトリウムによる還元です。カルボン酸ハロゲン化物を還元すると第一級アルコールになるので、これは正しいです。

4の基質は酸無水物で、5の基質はエステルです。
酸塩化物・酸無水物・エステルを水素化アルミニウムリチウムで還元すると、いずれも第一級アルコールが生成します。4の生成物も5の生成物も一応アルコールですが、4は第一級アルコールではなく、5は構造が違います。正しくは、4の生成物は C6H5CH2OHで、5の生成物はCH3CH2CH2OH です。

以上から、正解は 1 と 3 です。

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