問 題
低分子やイオンの水溶液中における拡散係数 D に関する記述のうち正しいのはどれか。2 つ選べ。ただし、理想状態における拡散を仮定する。
- D は水和による影響を受けない。
- D は溶液の粘度に反比例する。
- D は絶対温度に比例する。
- D は溶質の半径に比例する。
- D は溶質の濃度に比例する。
正解.2, 3
解 説
拡散係数とは、溶解速度に関するネルンスト-ノイエス-ホイットニー(Nernst-Noyes-Whitney)の式におけるパラメータです。
で表されます。η が溶液の粘度です。イメージとしては、ネバネバしてる液では溶解しにくいというイメージです。
r は粒子の半径です。イメージとしては、粒子の半径が大きいほど溶けにくいイメージです。T は温度です。温度が高いほうが溶けやすいイメージです。R、N、πは定数です。
選択肢 1 ですが
水和すると、粒子の半径が大きくなったようなものと考えられるので、r が変化します。水和による影響がないとはいえません。よって、選択肢 1 は誤りです。
選択肢 2 は正しい記述です。
粘度 η と、拡散係数 D は式より、反比例します。よって、選択肢 2 は正しいです。
選択肢 3 は正しい記述です。
絶対温度 T と、拡散係数 D は式より、比例します。よって、選択肢 3 は正しいです。
選択肢 4 ですが
溶質の半径 r と、拡散係数 D は式より、反比例します。よって、選択肢 4 は誤りです。
選択肢 5 ですが
溶質の濃度 C と、拡散係数 D は、式にCが入っておらず関係ありません。よって、選択肢 5 は誤りです。
以上より、正解は 2,3 です。
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