問 題
医療用麻薬は、不正流通による乱用を未然に防止するため、法律で薬局においても厳格な管理が求められている。薬局における麻薬の取扱いについて以下の問に答えよ。
問312
調剤のために麻薬を取り扱う薬局に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。
- 厚生労働大臣から麻薬小売業者の免許を取得しなければならない。
- 麻薬の譲り受け、保管、交付等の管理を行う薬剤師は、都道府県知事から麻薬管理者の免許を取得しなければならない。
- 覚せい剤原料は、麻薬と一緒に麻薬保管庫内に保管することができる。
- 麻薬卸売業者からの麻薬の購入は、同一都道府県内にある麻薬卸売業者に限定される。
- 麻薬処方せんは、調剤済みとなった日から5年間、保存しなければならない。
問313
薬局における麻薬の廃棄又は再使用に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- 薬局業務を廃止するので、不要となった麻薬を都道府県知事に届け出ることなく廃棄した。
- 在庫していた麻薬の有効期限が切れたので、都道府県知事に麻薬廃棄届を提出し、保健所職員の立会いの下で廃棄した。
- 調剤中に破損した麻薬を管理薬剤師が薬局の他の職員の立会いの下、焼却処分した。
- 患者の家族から不要となった麻薬が返却されたので、品質に問題がないことを確認して再使用した。
- ファクシミリにより送信された麻薬処方せんの内容に基づきオキシコドン塩酸塩徐放錠を調製したが、患者が受け取りに来なかったので、再使用した。
正解.
問312:4
問313:2, 5
解 説
問312
薬局で麻薬を調剤するには、麻薬小売業者の免許を取得することが必要です。免許は、都道府県知事が与えます。よって、厚生労働大臣からではないので、選択肢 1 は誤りです。
麻薬管理者とは、病院や診療所における、麻薬を業務上管理する者のことです。よって、薬局において麻薬の譲受けなどを行う場合に、免許が必要であるということはありません。選択肢 2 は誤りです。
覚せい剤原料と、麻薬は、一緒に保管してはいけません。よって、選択肢 3 は誤りです。
選択肢 4 はその通りの記述です。
麻薬処方せんは、一般の処方せんと同様に、調剤済みとなった日から 3 年間保存義務があります。よって、5年間ではないので、選択肢 5 は誤りです。
以上より、正解は 4 です。
問313
薬局業務廃止に伴う、不要となった麻薬の廃棄は、業務廃止から 50 日位内に麻薬廃棄届を県知事に提出し、職員等立ち会いのもとに廃棄しなければなりません。よって、選択肢 1 は誤りです。
選択肢 2 は、その通りの記述です。
調剤中に破損した麻薬については、麻薬事故届の提出が必要です。その際、残余麻薬を廃棄する時は、麻薬小売業者(薬局)の他の職員の立会いの下に廃棄し麻薬事故届にその経過を記載します。よって、選択肢 3 は、麻薬事故届について何の記述もないので、適切ではありません。
調剤済みの麻薬が、不要となった等の理由で返却された時には、譲り受けた麻薬をその都度、またはある程度まとまった段階で、管理薬剤師が他の従事者の立ち会いの下廃棄し、廃棄後30日以内に、調剤済み麻薬廃棄届を、県知事に提出します。よって、再使用は行いません。選択肢 4 は誤りです。
選択肢 5 は、正しい記述です。
すなわち、調剤済みとなっていない麻薬なので再使用してかまいません。
以上より、正解は 2,5 です。
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