薬剤師国家試験 第98回 問308-309 過去問解説

 問 題     

感冒症状を訴えて来局した男性(36歳)のお薬手帳から、バルサルタン錠を現在服用していることがわかった。

問308

この男性に販売する一般用医薬品に含まれる成分として、避けるべきものはどれか。1つ選べ。

  1. リゾチーム塩酸塩
  2. ジヒドロコデインリン酸塩
  3. トラネキサム酸
  4. ブロムヘキシン塩酸塩
  5. プソイドエフェドリン塩酸塩

問309

この男性に推奨した感冒薬は指定第二類医薬品であった。この医薬品に対する薬局での対応について、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. 直接の容器に「指定第2類医薬品」の文字がないので、不正表示品と判断した。
  2. 情報を提供するための設備から2メートル離れた商品棚に陳列した。
  3. 薬剤師が別の来局者に応対していたので、登録販売者が販売した。
  4. 「この医薬品は、第二類医薬品のうち、人体に対する作用が比較的緩和なものとして厚生労働大臣が指定した医薬品である」旨の説明をした。

 

 

 

 

 

正解.
問308:5
問309:2, 3

 解 説     

問308

バルサルタンは、AT II 受容体拮抗薬である降圧薬です。よって、鼻づまりなどに対する効果が期待して使用されるエフェドリンは交感神経作用を通じて、血圧を上げる作用があるため、避けるべきであると考えられます。

以上より、正解は 5 です。

ちなみに、リゾチームは、痰などのネバネバ成分を分解する作用があります。

ジヒドロコデインリン酸塩は、咳止めとして用いられます。

トラネキサム酸は、のどの炎症などを抑える作用があります。

ブロムヘキシンは、痰などの切れをよくします。

問309

表示に関しては、直接の容器、又は直接の被包に記載すればよいです。よって、直接の容器に表示がないからといって、不正表示品と判断することはできません。選択肢 1 は誤りです。

第二類医薬品の陳列に関しては、区分ごとに陳列されていればよいです。特に情報提供するための設備から2メートル離れた商品棚に陳列することに問題点はありません。

選択肢 3 は適切な記述です。

指定第二類医薬品とは、第二類医薬品の中で、特に注意を要するもののことです。よって、人体に対する作用が比較的緩和なものとして指定されたという説明は適切ではありません。よって、選択肢 4 は誤りです。

以上より、正解は 2,3 です。

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