薬剤師国家試験 第98回 問296-297 過去問解説

 問 題     

35歳女性。体重52kg。左前胸部の肋骨に沿って帯状にかゆみが発生し、発赤し、数日後に激しく痛み出した。帯状疱疹と診断され、神経ブロックで痛みをとりながら薬物治療を行った。しかし、皮疹が治った後も疼痛は3ヶ月以上続いた。

問296

この疾患の病態に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. 両側性に症状がみられることが多い。
  2. 抗水痘帯状疱疹ウイルス抗体価が高値でも帯状疱疹に罹患する。
  3. 帯状疱疹では、その多くにウイルス血症を起こす。
  4. ウイルス再感染が原因である。
  5. 免疫力低下や過労が危険因子である。

問297

疼痛に対してプレガバリンを処方することになり、医師から薬剤師に問い合わせがあった。当該医薬品の医薬品インタビューフォームを情報源とすることが適切でないのはどれか。1つ選べ。

  1. 開発時の臨床試験における副作用発現件数
  2. 日本で承認されている適応症以外の海外における適応症
  3. 投薬期間制限の有無
  4. 生殖発生毒性試験の結果
  5. 薬価

 

 

 

 

 

正解.
問296:2, 5
問297:5

 解 説     

問296

帯状疱疹は、主に片側にのみ症状が現れる疾患です。よって、選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 はその通りの記述です。

ウイルス血症とは、ウイルスが血流に侵入し、全身へと移動する状態のことです。帯状疱疹では、免疫不全状態にある高齢者や免疫抑制剤を使用している場合などにおいておこります。よって、帯状疱疹の多くにウイルス血症をおこすわけではありません。選択肢 3 は誤りです。

帯状疱疹は、水痘・帯状疱疹ウイルスの、再活性化により起こります。よって、再感染ではありません。選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 はその通りの記述です。

以上より、正解は 2,5 です。

問297

インタビューフォームとは、添付文書では不十分な情報を補ったり、医薬品を薬剤師が評価するために提供される総合的な医薬品解説書の一つです。添付文書と同様に、PMDAのホームページから見ることができます。(まず、具体的な製品名で添付文書を開き、左下、ダウンロードというフレームの所からリンクをクリックする等で見ることができます。)

具体的には、製剤の安定性や、注射剤の溶解後の安定性などについて記載があります。薬価については、薬価収載時期の記載はありますが、具体的な薬価は記載されていません。選択肢 5 は適切ではありません。

以上より、正解は 5 です。

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