問 題
47歳男性。気管支ぜん息の治療中である。この患者に以下の薬剤が新たに処方された。
問284
この患者に対する服薬指導の内容として、適切でないのはどれか。1つ選べ。
- ぜん息発作重積状態の時に使用してもよい。
- 用時振とうして使用すること。
- 吸入ステロイド薬単独使用時と比べ、ステロイド薬の減量が可能である。
- 発作が起こらなくても毎日定期的に使用する。
- 薬剤噴霧と吸入のタイミングを同調できない時には、スペーサーの使用を勧める。
問285
この薬剤に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。
- 全身作用を目的とした吸入エアゾール剤である。
- 肺深部まで薬物を送達させるために、エアゾール粒子の空気力学径が30~100μmの大きさに設計されている。
- 速く吸入する方が吸入効率がよい。
- 吸入後に息を止める必要はない。
- 容器は、密封容器である。
正解.
問284:1
問285:5
解 説
問284
アドエアは、喘息発作重責状態の時には使用できません。すなわち、既に起こった発作や急な症状の悪化を速やかに鎮める薬ではありません。よって、選択肢 1 は適切ではありません。
選択肢 2 ~ 5 はその通りの記述です。
以上より、正解は 1 です。
問285
アドエアエアゾールは、吸入薬です。吸入により、局所的作用が期待される薬です。よって、全身作用が目的ではありません。選択肢 1 は誤りです。
アドエアエアゾールの粒子径は、大体 3 μm 程度です。よって、選択肢 2 は誤りです。
アドエアエアゾールは、手で押して薬を押し出す形式なので速く吸入する必要はありません。無理をしない程度に十分息を吐き出した後、息をゆっくりと吸い込みながら吸入します。よって、選択肢 3 は誤りです。
吸入後には、数秒間息をとめます。よって、選択肢 4 は誤りです。
選択肢 5 はその通りの記述です。
ちなみに、吸入後は必ずうがいをするよう指導する必要があります。気道に薬が残ることによる、副作用(感染症など)を避けるためです。
以上より、正解は 5 です。
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