問 題
60歳女性。乳がんの腸骨転移による骨病変のため、ゾレドロン酸水和物注射液が投与されることになった。
問216
ゾレドロン酸水和物注射液による重大な副作用はどれか。2つ選べ。
- 急性腎不全
- 顎骨壊死
- 増殖性歯肉炎
- 骨粗しょう症
問217
ゾレドロン酸は、骨代謝に影響する薬物である。骨代謝に関連する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- カルシウムが、血液中から吸収されて骨に沈着することを骨吸収という。
- 骨芽細胞は、コラーゲンなどの有機物を分泌し、骨形成を進行させる。
- 上皮小体ホルモン(PTH)は、腎臓からのカルシウムの排泄を促進させる。
- 上記の処方から、この患者では高カルシウム血症が生じていると考えられる。
- ゾレドロン酸は、破骨細胞を活性化させる。
正解.
問216:1, 2
問217:2, 4
解 説
問216
ゾレドロン酸は、破骨細胞を抑制することにより骨吸収を阻害します。重大な副作用として、急性腎不全、間質性腎炎、間質性肺炎、顎骨壊死などがあります。
以上より、正解は 1,2 です。
問217
骨吸収とは、破骨細胞により、骨が分解される現象です。血液中から吸収されることではありません。よって、選択肢 1 は誤りです。
選択肢 2 はその通りの記述です。
上皮小体(副甲状腺)ホルモン(パラトルモン)は、血液のカルシウムの濃度を増加させるホルモンです。腎臓からのカルシウムの排泄を促進させるわけではありません。よって、選択肢 3 は誤りです。
選択肢 4 はその通りの記述です。
破骨細胞の増殖により、骨吸収が亢進しており、血中のカルシウムが高くなっていると考えられます。
ゾレドロン酸は、破骨細胞を抑制します。よって、選択肢 5 は誤りです。
以上より、正解は 2,4 です。
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