問 題
65歳男性。腰痛がひどいため、ガドテル酸メグルミン注射液を用いて造影検査を実施した結果、椎間板ヘルニアと診断され、以下の薬剤が処方された。
問204
この患者に対する情報提供の内容として、適切でないのはどれか。2つ選べ。
- 造影検査の数日後までに、発熱、発疹、悪心、血圧低下、呼吸困難等が現れたときには、速やかに主治医に連絡する。
- 処方1により、脱力感、ふらつき、眠気等が発現することがあるので、車の運転は控える。
- 処方1の薬の作用が減弱するので、クロレラの摂取を控える。
- 処方2により、光線過敏症を発現することがあるので、本剤の使用中及び使用後も当分の間、外出時には貼付部を衣服やサポーターなどで遮光する。
- 処方3の薬の作用が減弱するので、グレープフルーツジュースの摂取を控える。
問205
ガドテル酸メグルミンは代表的なMRI用造影剤である。次の記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。
- MRI装置は、円筒形の強力な磁石とラジオ波の発振器及び受信器からなる。
- 1Hのように核スピンが1/2の核種は、外部磁場に対して2通りの配向をとる。
- ガドテル酸メグルミンは、ガドリニウムイオン(Gd3+)にメグルミンを配位させたキレート製剤である。
- Gd3+は主として周辺に存在する水素原子核の縦緩和時間(T1)を延長する。
- 臓器や器官が骨に囲まれていても、MRIでは内部画像を得ることができる。
正解.
問204:3, 5
問205:4
解 説
問204
選択肢 1,2 はその通りの記述です。
クロレラの摂取を控えるのは、ワルファリンです。よって、選択肢 3 は誤りです。
選択肢 4 はその通りの記述です。
坐剤なので、グレープフルーツジュースの摂取を控える必要はありません。よって、選択肢 5 は誤りです。
以上より、正解は 3,5 です。
問205
MRIの原理は、特定の周波数のラジオ波を照射することにより、核スピンの向きをいったん強制的に揃えた後、照射を止めた時に定常状態に戻るまでの過程(緩和現象)を測定することにより画像化するものです。
原子核スピンが 1/2 であるとは、2つの向きのスピンを持つということです。
ガドテル酸メグルミンは、ガドリニウムイオンにメグルミンを配位させたキレート製剤です。
ガドリニウム製剤は、T1 時間を短縮します。T1 強調画像におけるコントラストを明瞭にします。よって、選択肢 4 は誤りです。
MRIでは、臓器や期間が骨に囲まれていても内部画像を得ることができます。
以上より、正解は 4 です。
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