問 題
57歳男性。5時間前に左前胸部痛が突然出現し、2時間程続いたので近医を受診した。急性心筋梗塞の疑いがあり、心電図上、心室性期外収縮の頻発を認めたため、緊急措置としてリドカイン塩酸塩の筋肉注射を受けた。
その後、救急病院に転送された。救急病院入院時の心電図検査で胸部誘導にST上昇が確認された。この患者の病態及び治療に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。
- クレアチンキナーゼ(CK)の総活性は、筋肉注射の影響を受ける。
- トロポニンTを測定したところ、高値を示した。
- 心エコー図で左心室の動きに、異常は認めなかった。
- 冠動脈内血栓溶解療法(PTCR)の適応も考えた。
- リドカイン塩酸塩の静脈内投与を開始した。
正解.3
解 説
クレアチンキナーゼは、筋肉中に存在する酵素です。筋肉注射によっても検査値が上昇することが知られています。
トロポニン T は、心筋梗塞発症早期(3~6時間経過後)から、2~3週間後まで
上昇します。
心室性期外収縮の頻発が認められるとあるから、心エコー図で左心室の動きに以上が認められないのは誤りであると考えられます。よって、選択肢 3 は誤りです。
選択肢 4,5 は問題のない記述です。
以上より、正解は 3 です。
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