問 題
グラフは、摘出平滑筋の収縮に対する薬物Aと薬物Bの濃度-反応曲線を示している。この実験結果に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
ただし、これらの薬物は同一の受容体結合部位にのみ作用し、また、受容体への結合は可逆的で速やかに起こるものとする。
- 薬物Aは部分刺激薬(partial agonist)である。
- 薬物AのpD2値は約6である。
- 薬物Bは完全刺激薬(full agonist)であり、その内活性(intrinsic activity)は100である。
- 10-5Mの薬物Bによる収縮は、10-6Mの薬物Aにより抑制されると推定できる。
正解.1, 4
解 説
薬物 A は、濃度を上げていっても最大反応の約 50 %しか収縮が見られません。よって、部分刺激薬であると考えられます。
pD2 値とは、-log ED50 です。薬物 A の ED50 は、最大効果の半分の効果を示す濃度なので、収縮 25 % のラインとの交点を見て約 10-7 と読み取ることができます。よって、約 7 です。選択肢 2 は誤りです。
内活性は、0~1の間の値をとります。よって、内活性は 100 ではありません。選択肢 3 は誤りです。
部分刺激薬である薬物 A によって、薬物 B との競合的拮抗がおき、薬物 B による収縮は抑制されると推定されます。
以上より、正解は 1,4 です。
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