薬剤師国家試験 第98回 問113 過去問解説

 問 題     

コレステロールに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. コレステロール生合成に関与する肝臓の3-ヒドロキシ-3-メチルグルタリルCoA(HMG-CoA)還元酵素遺伝子は、コレステロールによって発現が抑制される。
  2. 細胞内のコレステロールの量が増加すると、細胞表面にある低密度リポタンパク質(LDL)受容体の数が増加する。
  3. 肝臓でコレステロールから生成した胆汁酸は、その大部分が糞便中へ排泄される。
  4. 細胞膜のコレステロールは、その大部分が脂肪酸とのエステル型として存在する。
  5. 精巣では、コレステロールからアンドロゲンが生合成される。

 

 

 

 

 

正解.1, 5

 解 説     

選択肢 1 はその通りの記述です。いわゆる負のフィードバックにより、生合成が制御されています。

細胞内のコレステロール量が増加すると、コレステロールの取り込みを減らすために細胞表面の LDL 受容体は、減少します。よって、増加はしないので、選択肢 2 は誤りです。

腸肝循環により、肝臓でコレステロールから生成した胆汁酸は、大部分が腸肝循環により、肝臓に輸送されます。腸肝循環を免れた胆汁酸のみ、糞便中に排出されます。よって、大部分が糞便中へ排出されるわけではありません。選択肢 3 は誤りです。

細胞膜のコレステロールは、大部分は遊離型として存在しています。すなわち、エステル型ではありません。選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 はその通りの記述です。

正解は 1,5 です。

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