薬剤師国家試験 第98回 問100 過去問解説

 問 題     

タンパク質の構造に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. αヘリックスやβシートの形成には、ペプチド結合のC=OとN-H間の水素結合が大きく寄与する。
  2. タンパク質中の側鎖間には、共有結合が存在しない。
  3. 金属タンパク質中の金属イオンは、金属結合によりタンパク質と結合している。
  4. 膜タンパク質の膜貫通領域には、親水性のアミノ酸残基が多い。
  5. 通常、タンパク質は、高濃度の尿素溶液により変性する。

 

 

 

 

 

正解.1, 5

 解 説     

タンパク質のα-ヘリックスや、βシートの形成に大きく関与するのは、ペプチド結合間における水素結合です。よって、選択肢 1 はその通りの記述です。

システイン側鎖間の S-S 結合がありえるので、選択肢 2 は誤りです。

金属イオンは、共有結合や、配位結合などでタンパク質と結合しています。金属結合ではありません。よって、選択肢 3 は誤りです。

膜貫通領域は、主に疎水性のアミノ酸残基からなります。よって、選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 はその通りの記述です。

以上より、正解は 1,5 です。

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